メインコンテンツに移動

2021.10.14

Shopify Plusがヘッドレスコマースの実践で選ばれる理由

コロナ禍によって、生活者と企業の両者がコマースのあり方を激変させています。特に、「非接触・非対面でもこれまで体験してきた消費行動で得られた喜びや便利さを楽しみたい」といったこれまでになかった生活者側のニーズを叶えるには、企業のデジタル領域を抜本的に刷新しなければならない、DX(デジタルトランスフォーメーション)を実現しなければならない、という新たな議論が高まっています。

そうした中でさらに注目されているのがヘッドレスコマースの導入です。その実現には、どのeコマースプラットフォームを選ぶか?が重要になりますが、数ある中でもShopifyやShopify Plusは、企業規模に関わらず選択肢に挙がりやすいものだと電通デジタルでは考えています。

では、ShopifyやShopify Plusの導入に際して押さえるべきポイントは何か? 電通デジタルコマース部門 コマースディレクション事業部 ビジネスアナリスト 川久保剛と、同ビジネスデベロップメント本部 ビジネスデベロップメント部 ソリューションディレクター髙田拓之が解説します。


ShopifyやShopify Plusの特徴

まず、そもそもなぜヘッドレスコマースとマルチチャネルコマースプラットフォームであるShopifyやShopify Plusが関連付けて語られるのかを把握するためにも、ShopifyやShopify Plusの特徴を押さえておきましょう。
なお、エンタープライズ企業では、よりカスタマイズ自由度が高いShopify Plusが選ばれる傾向があるため、ここでは主にShopify Plusを取り上げます。
w-s-p-i-t-c-f-h-c-p_01

1.    瞬間的なアクセス急増にも耐えられる
Shopify Plus最大の特徴は、1サイトに対して600万人までの同時アクセスに対応している点です。複数台のサーバーを立ててアクセスの負荷を分散させる必要なくこれほどの許容範囲を実現するのは他のeコマースプラットフォームではなかなか難しいと言えるでしょう。

2.    大量のオーダー処理も可能
大量のアクセスに対応できたとしても、大量のオーダーを処理できなければ意味がありません。その点、Shopify Plusは米製のプラットフォームでありながら、日本のマーチャントが日本円の決済をする場合でも1分間に6,000件程度の処理までが可能なので、もし限定商品に瞬間的にオーダーが集中したとしても、受注処理ができず「買えなかった」と顧客をがっかりさせることには滅多にならないと言えます。

3.    在庫管理や受注引当の処理もデフォルト機能に
 eコマースを運営する企業の中には、商品在庫を複数拠点で管理しているケースがあります。Shopify Plusではデフォルト機能として、「Aという商品はa〜cの倉庫に複数個ずつ保管している」という設定ができるようになっており、さらに倉庫に優先順位をつけて受注引当ができるようにもなっています。

4.    シングルサインオンのほか、豊富なAPIが利用可能
eコマースを運営するにあたってシングルサインオンを導入しているかどうかは購買ハードルの高低に直結し、かつ、よりスマートな顧客体験の提供の有無にも繋がります。一般的に、シングルサインオンを導入するには新たにサーバーを立て、そこに一時的に顧客のデータを溜め込んで相手側に照合して返すという処理をしなければならないこともあり、データ管理等のリスクが懸念されます。しかし、Shopify PlusであればAPIでセキュアに対応できるようになっており、この点だけでもShopify Plusを選ぶ大きな理由になる、と言われています。
また、シングルサインオンは、マーケティング施策の展開にも有利に働きます。この点もShopify Plusがよく選ばれる理由だと言えるでしょう。(※ShopifyではこのAPIは利用できない)

5.    1契約10アカウントまで可能なので、多言語展開対応やBtoB販売にも対応しやすい!
Shopify PlusとShopifyのわかりやすい違いとしては、1契約に対して、同一ブランドの商品を多言語化またはBtoBで販売することに限って10アカウントまで作ることができる、という点も挙げられます。なぜこの点が良いのかと言うと、例えば、日本語のECサイトを作ったあと、グローバル展開をしたいので、英語版や中国語版など違う言語のサイトを立ち上げたいとなった場合、これは大きなメリットとなります。

このうち、4に示した「豊富なAPIが利用可能」という点はまさにヘッドレスコマースの実践に関わるところです。

ECでの販売がうまくいけばいくほど、追加機能や顧客にとって心地良く買い物ができる環境を整えたくなるもの。また、そのためにもオンラインとオフラインの垣根を越えて行動する顧客の購買までの流れを可視化し、蓄積されたデータをもとにより良い購買体験の提供につなげていくためのシームレスなデータ活用と分析を可能とするため、マーケティングツールの導入など、システム改修などの強化をしていきたいと願うものです。

これに対し、これまで一体として運営されていたECサイトの「ヘッド(フロントエンド)」と「ボディ(バックエンド)」を切り離し、「ボディ」をメインにして運営できるようになったヘッドレスコマースの環境があれば、短期間で他のシステムに影響なく対応が可能となります。こうした状況が作りやすいのがマルチチャネルコマースプラットフォームであるShopifyやShopify Plus、というわけです。

■ 関連記事
Shopify Plus ならECサイトオープンの必要最低限が揃っている! 〜テストマーケやクイックスタートが可能なeコマースプラットフォーム〜

ShopifyやShopify Plusを導入する企業の傾向

では、ShopifyやShopify Plusを導入しようとする企業は実際にどのような状況にあるのでしょうか? 多数の導入事例を担当した髙田は次のように語ります。

「最近までは、eコマースを実現させたい、というEC未着手の企業が少なくなかった。また、受注システムはあるが『コロナ禍を機に、EC化したい』という問い合わせもたびたび見られた。
そうした案件について、さまざまな角度からヒアリングを重ねていくと、『業務がかなりアナログなままなので、デジタル化していく必要がある』『システムが重層化していて複雑なため、やりたいことが実現できない』という議論にいきつくことが多い」。

続けて髙田は、「今日の状況を踏まえてEC化しようと考えたクライアントは、『今まで活用してきたシステムという“財産”を根底から見直し、場合によっては覆さなくてはならないことにもなる。そこに舵が切れるか?と、ビジネスの根本を見直すほどの決断を迫られるようになるケースも少なくない。特に大企業の場合、クライアントだけでなくその先の顧客にも関わることなので、一朝一夕で判断して刷新する、という判断は難しいだろう。
だからこそ、D2Cと言われる業態の企業とShopifyやShopify Plusの相性が良いのだと考える」と考えを述べました。

ShopifyやShopify Plusを導入してヘッドレスコマースを実現する意味

前述のような企業に対し、電通デジタルでは、EC化のサポートはもちろん、それ以外の部分にも目を向けてサービスを提供しています。

これについてまず川久保は、「EC化することほどマーケティングサイドと情報システムサイドが関係し合うような案件はないだろう。ミドルオフィス向けのツール導入やオウンドメディアの立ち上げと運用であればそれぞれの部門部署で完結できるものなので、それと比較するとEC化がどれほど複雑な過程を経ることになるかわかるはずだ。事業部レベルではなく経営マターである」と指摘します。

それを受け髙田は、「それぞれの部門部署で完結できるということは、企業の一部しか“見えない”ということでもある。しかし、EC化のプロジェクトはそうでないだけでなく、その会社の事業をどうしていくか?というところにまで立ち入る必要があり、全体を俯瞰して見ることにもなる。
そうした意味では、『EC化をする』というよりも『実情を理解し、課題を明確にした上でどのような打ち手があるかを考え、議論の末に結果的にヘッドレスコマースへと移行すべくShopifyやShopify Plusを導入するか、それとも別の取り組みを考えるか?』というサポートこそ求められるのだと考えている」としました。

より深く、中長期にわたる活動は、「全体の売上や組織の変化といった成果が見えやすく、我々が貢献できたかどうかがわかりやすいので取り組みにも熱が入る」とは、川久保と髙田の言葉です。

多くの企業において、EC化やヘッドレスコマースの導入はDXの一環と位置付けられているようです。しかし、その本質は、デジタルを活用することで顧客体験を向上させることを中心に、事業の構造や会社の組織を抜本的に変革することに他なりません。ヘッドレスコマースへの移行やShopifyやShopify Plusの活用はあくまで手段だと言えるでしょう。
電通デジタルでは、ヘッドレスコマースの実現のためのコンサルティングから技術開発、導入に向けた取り組みなど一貫したサポートを提供しています。ヘッドレスコマースに関心のある企業のご担当者さまは、お気軽にお問い合わせください。

川久保 剛 Tsuyoshi Kawakubo

コマース部門コマースディレクション事業部 ビジネスアナリスト
2007年より一貫してウェブサイト構築・運用に携わる。現在はオウンドEC領域でマーケティング戦略立案からビジネスアナリシス及びプロジェクトマネジメントに従事。2017年より現職。
"戦略なき実装は犯罪であり、実装なき戦略は寝言である"

記事一覧

髙田 拓之  Hiroyuki Takada

ビジネスデベロップメント本部 / ビジネスデベロップメント部 ソリューションディレクター
眼鏡業界にて10年以上に渡り小売り・営業・ECサイト運営を経験後、ECプラットフォームおよび支援企業にて8年以上に渡りEC構築・運用支援に従事。長年のECサイト運営の経験から、Web広告はもとよりCRMを起点としたフロント施策、カスタマー、フルフィルメント、また自身のバイヤー経験からサプライチェーンマネジメントの実績も持つ。2021年より現職。

記事一覧

CX UPDATES TOP