2021.06.24

Shopify Plus ならECサイトオープンの必要最低限が揃っている! 〜テストマーケやクイックスタートが可能なeコマースプラットフォーム〜

消費スタイルが大きく変化する今日、生活者にとってeコマースの利用は “当たり前” になっており、ひと家庭あたりのeコマースでの購入金額も昨年から増加傾向が続いています*。こうした流れに合わせ、多くの企業がeコマースをビジネスのコアとして捉え直し、その強化にあたっています。(参考:総務省統計局「家計消費状況調査 ネットショッピングの状況について(二人以上の世帯)-2021年(令和3年)4月分結果-」

しかし、いざECサイトを構築しeコマースに注力しようと考えたとしても、ECツールの選定や運営のための予算繰りなどが問題となって、なかなか踏み出しづらい、というケースもあるようです。そうした場面で有力な選択肢となり得るのが「Shopify Plus(ショッピファイ プラス)」だと電通デジタルでは考えています。では、「Shopify Plus」とは何か、どのような特徴や導入後の利点があるのか、電通デジタル ビジネスディベロップメント部ソリューションディレクター  髙田 拓之が解説します。

※所属・役職は記事公開当時のものです。

電通デジタル アカウントイノベーション部門 アカウントディベロップメント部
ソリューションディレクター

髙田 拓之

Shopify Plus(ショッピファイ プラス)とは?

eコマースプラットフォーム「Shopify」はすでに日本でもよく知られるようになっています。そのエンタープライズ向け上位プランという位置付けにあるのが「Shopify Plus」です。その特徴やShopifyとの違いについて、高田は以下5つを挙げました。

1. 瞬間的なアクセス急増にも耐えられる

高田: Shopify Plus最大の特徴は、1サイトに対して600万人までの同時アクセスに対応している点です。これほど多くの同時アクセスを処理する場合、サーバーをいくつも立ててアクセスの負荷を分散させるのが一般的です。そうした対応なしでShopify Plusほどの許容範囲を実現するのは他のeコマースプラットフォームではなかなか難しいと言えるでしょう。
米国での事例ですが、サイバーマンデーやブラックフライデーのような高負荷がかかるイベント時でもサイトダウンは起きていない、とのことです。私も、ある国内向けECサイトを構築する際にShopify Plusを導入したのですが、限定商品の販売時に購入希望者が瞬間的に何十万人もサイトにアクセスしても問題なかった、という経験をして驚いたことがあります。

2. 大量のオーダー処理も可能

高田: 大量のアクセスがあるということは、大量の注文が入ることにも繋がります。その点、Shopify Plusは米製のプラットフォームでありながら、日本のマーチャントが日本円の決済をする場合でも1分間に6,000件程度の処理までが可能だと聞いています。そのため、もし限定商品に瞬間的にオーダーが集中したとしても、受注処理ができず「買えなかった」と顧客をがっかりさせることには滅多にならないと言えます。

3. 在庫管理や受注引当の処理もデフォルト機能に

高田: eコマースを運営する企業の中には、商品在庫を複数拠点で管理しているケースがあります。Shopify Plusではデフォルト機能として、「Aという商品はa〜cの倉庫に複数個ずつ保管している」という設定できるようになっており、さらに倉庫に優先順位をつけて受注引当ができるようにもなっています。

4. シングルサインオンのほか、豊富なAPIが利用可能

高田: 最近、eコマースを運営するにあたって「顧客の統合」という言葉がよく聞かれます。いわゆるシングルサインオンというもので、例えばLINEやGoogle、FacebookのアカウントとECサイトのアカウントを繋ぐ、というものです。このログインの統合がShopify PlusならAPIでセキュアに対応できるようになっています。
APIがない場合は新たにサーバーを立て、そこに一時的に顧客のデータを溜め込んで相手側に照合して返すという処理をしなければならないので、サーバーを持つこと自体をリスクだと捉える企業も多くなっています。そのため、この点だけでもShopify Plusを選ぶ大きな理由になる、というわけです。(※ShopifyではこのAPIは利用できない)
一方、「APIで繋ぐ」ということは、データ通信が必要になるので、大量のデータ授受が起こる場合はそれだけで処理スピードが遅くなるとの懸念が出てきます。ただ、これについてもShopify Plusならスムーズに処理が可能です。
シングルサインオンは、ログインが簡単になるだけでなく、例えばLINE IDでログインした顧客がAという商品を購入した場合、「Bという類似商品はいかがですか?」とコミュニケーションを取るといったマーケティング施策の展開にも有利に働きます。この点もShopify Plusが選ばれる理由だと言えるでしょう。

5. 1契約10アカウントまで可能なので、多言語展開対応やBtoB販売にも対応しやすい!

高田: Shopify PlusとShopifyのわかりやすい違いとしては、1契約に対して、同一ブランドの商品を多言語化またはBtoBで販売することに限って10アカウントまで作ることができる、という点も挙げられます。
例えば、日本語のECサイトを作ったあと、グローバル展開をしたいので、英語版や中国語版など違う言語のサイトを立ち上げたいとなった場合、これは大きなメリットだと言えます。もちろん通貨もそれぞれの国に合わせて設定できるようになっています。
また、BtoC向けだけでなくBtoB向けのECサイトを開設する場合にも、Shopify Plusは魅力的だと考えられます。BtoBの場合、Aという顧客とBという顧客では同じ商品でも「掛け率を変えたい」「そもそも売価の設定が違う」ということが起き得ます。そうした価格の振り分け設定も可能です。

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低コスト・必要最低限が揃うShopify Plusだからテストマーケも展開しやすい

前述の通り、Shopify PlusにはShopifyにもない機能が充実しており、機能面で検討する場合の判断材料は明確だと言えます。しかし、ビジネスである以上、コストや導入にかかる期間についても把握しておきたいところです。この点について、高田は次のように述べました。

高田: Shopify Plusについて、Shopifyやその他のeコマースプラットフォームとの差別化という点では、ランニングコストの安さは注目が集まる点です。
Shopifyの場合も公言されていますが、基本的に月額2000ドル、つまり日本円で約22万円と設定されています。同じような規模のプラットフォームのランニングコストは少なくとも5〜6倍、中には10倍以上のものもあることから、コスト面ではShopify Plusが優位だと言えます。
また、クイックスタートがしやすい点もShopify Plusの魅力のひとつです。ECサイトをスタートさせるために必要最低限のものがテンプレートという形で揃っているので、テンプレートに沿って画像やテキストを入力していけば準備を進めることができます。テンプレートの種類も豊富な上、直感的に作業を進められます。
実際に私も「ローンチ期日まであと1ヶ月」という案件をお受けしたことがありますが、「新たに機能を開発していく時間はないので、まずは顧客がECサイトで購入ができるように、オーダー処理ができ、商品情報等がしっかり見せられるところまで準備してフェーズ1としましょう」と提案し、合意して無事ローンチに漕ぎ着けたことがあります。

このように、いかにクイックに商売ができるか? というところに重きを置いているクライアント企業にとってはShopifyやShopify Plusはフィットしやすいでしょう。とりわけ、大量のトランザクションが見込まれる場合はShopify Plusを、という流れになると考えます。

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成長や戦略に合わせて機能追加するならヘッドレスアーキテクチャの導入も選択肢に

素早くeコマースを始めたい、というニーズに合致したShopify Plusですが、ECでの販売がうまくいけばいくほど、追加機能や顧客にとって心地よくお買い物ができる環境を整えたくなるものです。そうした場合、「急いで立ち上げたから○○ができない」となってしまっては、元も子もありません。
この点について高田は、電通デジタルのヘッドレスプラットフォーム「Kirimori」を紹介しながら、成長に合わせて柔軟に拡張するeコマース戦略の可能性について語りました。

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高田: やはり、優れた顧客体験の提供、トップページなどフロント部分の美しさ、使いやすさを洗練させたいというニーズは生まれてくるものです。
そこで、電通デジタルでは、Aquiaというコンテンツ管理システムでフロント側のクリエイティブを理想の形にし、eコマースの機能はShopify Plusで対応する、という構成に切り替え、その間を繋ぐ役割として「Kirimori」を導入する、というやり方を提案しています。
そうすることで、企業としてはテストマーケ時にはShopify Plusで素早く収益性を確認し、「これは投資する価値がある」と考えた時点で上述のようにECサイトの機能を追加する、という合理的なチャレンジが可能になると考えています。もちろん、「Kirimori」はShopify PlusとAquiaだけでなく、他のAPIを繋ぎ込むこともできるので、より大きくECサイトを育てていくこともできます。

最近では大企業でも新業態の可能性を模索する機会が増えています。例えば、飲料メーカーがサプリメントを開発・販売したり、米国ではBtoBの農業機械メーカーが個人向けにD2Cビジネスを始める、といった事例もありました。このように、「まだ市場が存在しているかどうかわからないからテストマーケをしてみたい」というニーズは確実にありますし、今後も増えていくと見ています。
日本の商習慣もコロナ禍で大きく変わっていくと想像できます。そうなった時、「Shopify Plusでまずは小さく始め、大きく育てる」というやり方はワクワクするようなチャレンジだと言えるでしょう。


最後に高田は、「Shopify PlusでECサイトを構築する場合でも、優れたCX(顧客体験)を提供しようと考えることは重要」としました。その理由や実際にどのようなことをすればいいのか、といった内容については、6月23日(水)に開催予定のウェビナー「Shopify Plusで実現!CX起点で柔軟にデザインするコマースサイトとは?」で詳しく紹介します。また、ウェビナーの内容はレポートとして本サイトでも掲載予定です。どうぞご期待ください。

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