2021.08.04

CX起点で柔軟にデザインするコマースサイトとは? ヘッドレスの概念を用いてShopifyで顧客体験の実現を

気軽なお出かけやお買い物がしづらい状況が続く中、企業やブランドは、「顧客に安心して買い物ができる環境を」との想いから、これまで以上にeコマースに注力するようになっています。

しかし一方で、自社ECサイトをオープンさせるにあたり、「これまで店舗で提供できていた楽しさやワクワク感を、ECサイトでも体験してもらえるのだろうか?」、「売ることができる/買うことができる、という場を用意するだけでいいのだろうか?」との疑問に突き当たることも少なくないようです。

本稿では、ウェビナー「Shopify Plusで実現!CX起点で柔軟にデザインするコマースサイトとは?」にて、電通デジタル ビジネスディベロップメント部ソリューションディレクター  髙田 拓之が発表した内容を元に、上述の疑問を抱える企業やブランドへの“解決案”をお伝えします。

※この記事は、「Shopify Plus ならECサイトオープンの必要最低限が揃っている! 〜テストマーケやクイックスタートが可能なeコマースプラットフォーム〜」の続編でもあります。ぜひこちらも参考にご覧ください。

顧客体験(CX)を起点に自社のeコマースのあり方を考える、とは?

今や「ブランドや企業は顧客体験(CX)を重要視しないでは戦略を立てられない」との考えが浸透しつつあります。しかし、顧客の嗜好やニーズは多種多様で、最適解は何か、見定めることが難しいのも事実です。

このことについて、髙田は、「例えば、ソーシャルメディア上で仲良くなった人に何か贈りたいと考えた時、購入は自分が行ない、送り先の指定は相手にしてもらう、ということができればそうしたニーズを持つ人にとって素晴らしいCXと言えるだろう。

あるいは、ECサイトで限定商品が発売されたとして、アクセス集中時にエラー画面が出るのではなく、『アクセスまで何分待ちです』とのメッセージが表示されたり、『お待ちいただく間、プレミアム動画をご覧ください』という特別な体験ができたりすれば、待つストレスが楽しみになることも考えられる。これも優れたCXになるはずだ」と、イメージしやすいシチュエーションを挙げた上で、CX起点でeコマースのあり方を考えるべき理由について、次のように投げかけました。

「顧客に対してモノを売る方法は、接客技術やマーケティングの技術革新で洗練されてきている。しかし、上述のような『買い方』を充実させるなど、顧客視点で見て優れた購買体験をどう実現するかを企業やブランドは真剣に考えなければならなくなっている」。

ただ、髙田が示したような購買体験を実現しようとすれば、「システムの制約」がかかることもあります。「自社内や顧客から得た自由な発想をeコマースで実現したいが、できない」とのジレンマを抱える企業は実は少なくないかもしれません。

そうしたジレンマの解決策として、髙田が最初に挙げたのが「Shopify(ショッピファイ)」や「Shopify Plus(ショッピファイ プラス)」というECプラットフォームです。


ShopifyやShopify Plusが優れた購買体験をもたらすECサイト構築に適している理由

ShopifyやShopify Plusの特徴については、「Shopify Plus ならECサイトオープンの必要最低限が揃っている! 〜テストマーケやクイックスタートが可能なeコマースプラットフォーム〜」にて詳しく紹介していますが、次の6点をぜひ押さえておきたい内容です。

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【押さえておきたいShopifyやShopify Plusの特徴】

  1. ECサイトに必要な機能が一通り揃っている
  2. 多種多様なテンプレートが用意されていて、CMSを介さず手間なく編集が可能である
  3. 機能拡張をしたい時にはアプリを自由に組み合わせることでECサイトの充実が可能になる(6000超のアプリがある)
  4.  ERPや倉庫連携のWMSとAPI連携させれば業務効率化もかなう
  5. 170万以上の店舗が利用するSaaS型のクラウドサービスとして、セキュリティも堅牢である
  6. さまざまな言語や通貨に対応するグローバルカート機能が装備されている

この中でも、「3.機能拡張をしたい時にはアプリを自由に組み合わせることでECサイトの充実が可能になる(6000超のアプリがある)」や「4.ERPや倉庫連携のWMSとAPI連携させれば業務効率化もかなう」という点は、自由な発想でeコマースでの購買体験を充実させるには欠かせないことだと言えるでしょう。

髙田は、「ShopifyやShopify Plusは、あらかじめECに必要なものが備わっているので、仕様に合わせて構築すれば非常にスピーディーにECサイトをオープンすることができる。
それだけでなく、機能の充実やサイトの見え方の改善などをオープン後に変更することも簡単にできる。つまり、アジャイルな対応ができる、というわけだ」と、優れた購買体験をもたらすECサイト構築においてShopifyやShopify Plusを選ぶ利点を解説しました。


いろんな「やりたい」が重なるとシステムが“忙しく”なる。これを解決するのがヘッドレスアーキテクチャ

素早く自社ECサイトを構築した後、自由な発想でeコマースでの購買体験を充実させるためにさまざまな機能等を「後付け」すると、「システムが複雑化して管理がしづらくなる」との指摘があるかもしれません。そして、「だからこそ、先々を見越して十分に検討した上でECサイトを開設したいのだ」とのお考えもあるでしょう。

しかし、そのような課題は、ヘッドレスアーキテクチャの導入で根本的に解決できると言えます。

ヘッドレスアーキテクチャとは、デカップルアーキテクチャとも言われ、「顧客などのタッチポイントになる部分(フロントエンド)と、日々の業務で受注や在庫管理などを担う部分(バックエンド)を切り離し、それぞれを独立した仕組みで成立させる手法」と表現できます。

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髙田は、「ヘッドレスアーキテクチャは5年くらい前に米国で始まり、日本でも知られるようになった。だが、まだまだ実用的に使う企業は少ないかもしれない」とし、ヘッドレスアーキテクチャの検討を勧めたい場面を次のように挙げました。

「例えば、WebサイトとECサイトをそれぞれ運営している場合、それぞれに商品の詳細情報があるだろう。Webサイトの方ではコンテンツ情報を管理し、ECサイトの方では個人情報や購買履歴が管理されている、という情報の分断が起こっていることが多い。それに対してメンテナンスを行なうと、重複した工数や作業が生じることが考えられる。

しかし、CXの視点で考えると、WebサイトであろうがECサイトであろうがとにかく『シームレスに利用できるようにしてほしい』というのが本音だ。そう考えると、顧客の目に触れないシステム部分の“分断”は、マイナスのCXになっている、と捉えられる。こうした場面がヘッドレスアーキテクチャを検討して解決したい事柄だ」。


ShopifyやShopify Plusとヘッドレスアーキテクチャ『Kirimori』の相性がいい理由

では、先に紹介したShopifyとヘッドレスアーキテクチャの概念用いてECサイトを構築すると、どのような姿になるのでしょうか? 髙田は下図を示しながら、次のように解説しました。

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「顧客起点で考えると、フロントのECサイトはShopifyで構築し、それ以外はそれぞれのツールやプラットフォームを使っていく、というやり方が考えられる。Shopify自体が全てAPIでできているので、こういったヘッドレスアーキテクチャの概念でそれぞれ切り離して作ることができるという大きな特徴がある」。

さらに、電通デジタルが、柔軟な顧客体験(CX)を提供するためのヘッドレスソリューションとして提供している「Kirimori(キリモリ)」でなら、“ECサイトを利用する上でたびたび感じるストレス”を軽減できるような仕掛けも可能になります。

これについて髙田は、「『Kirimori』では、ECサイトに高負荷がかかっている時に訪問した顧客に対し、『今、サイトに何が起きているか?』を理解してもらうようなコンテンツを見せ、アクセスが落ち着いたら順次Shopifyの方に誘導する、という仕組みを作っている。

このようなウェイティングシステムのほか、“待ち時間”を前にサイトから離脱する顧客が再来訪してくれるように次回割引クーポンを発行する、という対応も可能だ。また、混乱を避けるために予約販売を受け付ける、といったこともできる」としました。

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とは言え、「現段階ではそこまでの機能はなくていい」との考えもあるでしょう。もしくは、「自分たちの商品やサービスがeコマースでも売れるのか、見極めたい」と考える向きもあるかもしれません。

そのように「市場調査的にECサイトを立ち上げて、適切に予算配分をしていく」という発想の時こそ、「ECサイトに必要十分な機能を有するShopifyの活用から始め、eコマース戦略の成長に合わせて『Kirimori』を導入してスマートに管理・運用していく“良さ”を感じられるはずだ」と、髙田は締めくくりました。

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電通デジタルでは、このように顧客起点で考えた自由な機能が実現できるECサイトの構築を、「Kirimori」でスマートに支えられるように構成するご提案を続けています。今後も、「Kirimori」やShopify・Shopify Plusの導入検討のほか、クライアント企業やその顧客のニーズを踏まえて最適なECツールをご提案するなどし、eコマースの成長をサポートして参ります。

これまでの事例や顧客起点のECサイト構築については以下の記事で紹介しています。こちらも参考になれば幸いです。

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