
前回の「これだけはおさえておきたい!GA4/GTM導入 基礎編」では、Googleアナリティクス 4 プロパティ(以下GA4)とGoogleタグマネージャー (以下GTM) の導入フローをまとめました。今回はGA4と旧GAのユニバーサルアナリティクス (以下UA)の主な違いとGTMでGA4のイベントを計測する方法をご紹介します。
1.GA4とUAの主な違い
GA4とUAには、いくつか大きな違いがあります。
その相違点を表でまとめてみました。
項目 | GA4 | UA (旧バージョン) |
アカウント構造 | プロパティ+データストリーム | プロパティ+ビュー |
レポート構造 | 標準レポート | 標準レポート |
計測単位 | イベント+パラメータ | ページビュー+イベント+eコマース |
計測用のJavascriptファイル | analytics.js | gtag.js |
セッションが切れるタイミング | 30分以上操作がなかったとき | 30分以上操作がなかったとき |
Search Consoleとの連携 | 現状、無し | 有り |
データ保持期間 | デフォルト: 2か月 | デフォルト: 26か月 |
生データの取得 | 無償版含めBig Queryより取得可能 | 有償版のGA360のみBig Queryより取得可能 |
普段からGAを使う方がGA4を触ってみると、レポートの構造や計測単位で大きな違いを感じるかと思います。
また、セッションが切れるタイミングも変更されているため、数値を読み間違えることがないように正しく理解する必要があります。
2.GTMでGA4のイベントを計測する方法
トラッキングの設定方法も変わった点があるので、外部リンククリック計測を例にご紹介します。
UAで外部サイトのリンクのボタンクリックをGTMで計測する場合は、GTM上でUAのイベントタグ、外部サイトのリンクボタンがクリックされたタイミングでイベントタグを発火させるトリガーが必要でしたが、GA4では、自動で取得されるイベントが用意されておりGTMでの対応は不要になりました。
<GA4での外部サイトリンク計測のイベントとパラメータ> |
用意されている外部サイトのリンククリックのイベントはURL形式になるので、Page Path形式で取得したい場合は、UAの時のように自身で設定する必要があります。
UAの復習も兼ねて、以下にGTMでの簡単な設定方法をご説明させて頂きます。
※前回の「【これだけはおさえておきたい!】GA4/GTM導入 基礎編」で、GA/GTMの初期設定については触れたためここでは割愛させて頂きます。
【外部リンククリックのイベントをGTMでPage Path形式で取得する】
① Googleタグマネージャーにアクセス。「タグ」⇒「新規」をクリック。

② タグの設定をクリックして、「Google アナリティクス GA4 イベント」を選択。

③ 測定IDを入力し、イベント名、パラメータ名を入力。 (計測IDがそのままイベント名となります)

パラメータ名 | 値 |
Click URL | {{Click URL}} |
Page Path | {{Page Path}} |
Click URL:遷移したページURLの計測用
Page Path:クリックしたページURLのページパス計測用
④ 次にトリガーを選択して、右端にある「新規」ボタンをクリック

⑤ トリガーを以下の内容で設定

トリガーの発生条件 | ||
Click URL | 含まない | dentsuisobar.com |
⑥ 名前をつけて保存、イベントタグ及びトリガーを公開。
(基礎編で学習したようにGTMのプレビューモードで確認した後に公開されることを推奨します。)
イベントタグとトリガーが公開されたら、実際に自社サイトで外部リンクをクリックしてみて、リアルタイムレポートやDebugViewにイベントタグとパラメータが表示されることを確認してください。
3.GA4のイベントを確認するには
【DebugViewでのパラメータの確認イメージ】

※GA4は現状標準レポートでは、パラメータの計測状況をリアルタイムレポートやDebugViewでしか確認できない為、過去のデータを確認する場合はBigQueryで集計する必要があります。
そちらの確認方法は次回のブログにてご紹介させて頂きます。
BigQueryは、データ集計をするのにSQL (Structured Query Language) が必要なので、どうしてもハードルが上がってしまいます。
パラメータを活用せずGA4でUAと同じような分析をする場合、パラメータをカスタム定義に使いカスタムディメンションにセットして、分析する必要があります。
カスタムディメンションはUAでは上限20個だったのに対し、GA4では50個まで作成できたり、UAではデータ削除が出来なかったのに対し、GA4ではアーカイブ機能が追加されたりと、非常に使い勝手が良くなりました。

カスタムディメンションにパラメータを格納していれば、BigQueryを使わなくても分析ハブなどで集計できるので、積極的に活用したいですね。
【分析ハブでの集計イメージ】

※上記はイベント名「click」の行われたページを集計するためのパラメータ「page_location」を分析ハブで可視化した例となります。
今回は、GA4とUAの違いとGA4のGTMによる外部リンククリック計測の設定方法をご紹介させて頂きました。
電通アイソバー(現 電通デジタル) データデザイン部では、データ活用に関するデジタルソリューション導入、データ活用コンサル等幅広く対応しております。
Googleアナリティクスや、AdobeAnalytics等、アナリティクス導入や現状の計測データ活用でお悩みやお困りのことがあれば、ぜひお問い合わせください。
※この記事は2021年5月現在で弊社にてGA4を検証しながら作成したものです。最新の情報はGoogleアナリティクスのヘルプをご参照頂き、変更点を随時ご確認ください。
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