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2022.06.23

CX最適化のために、なぜCDPが必要なのか?

3rdパーティCookie規制が進む今、CXを向上させる手法として、1stパーティデータの活用に注目が集まっています。ユーザーの同意を取得した上で収集した膨大な顧客データをセキュアに管理し、各種デジタルマーケティング施策に活用するためには、CDP(顧客データ基盤)が必要です。CDP導入の必要性、メリット、活用事例を、電通デジタル 高橋司が解説します。


なぜCDPが必要なのか?

ブランディングやマーケティングでの競争力を強化するために、CXの重要性に着目する企業が増えています。ただ、多くの企業はCX最適化を進めるにあたり、2つの構造的な課題を抱えています。

1.組織運営の問題
2.データマネジメントの問題

この2つの課題は密接に関連しています。多くの企業は、事業部単位で予算と権限を持ち、マーケティング施策を行っています。しかしそうした縦割り組織では、顧客視点で統一された CX の提供を行うことは困難です。また、顧客データが事業部単位で管理される「データのサイロ化」により、多くの無駄が生じています。

たとえば、店舗事業、EC事業、コールセンター事業、キャンペーン事業など、複数の事業部が個別に顧客データを収集・保持することで、1人の顧客を顧客A、B、C、Dと重複して認識している可能性があります。


w-d-w-n-c-f-c-o_001顧客データは事業部の施策に沿ったかたちで収集されているため、断片化されています。また同期されていないため、どれが最新のデータかも不明です。不完全なデータを使って施策を実施すると、施策のミスマッチが発生しやすくなります。たとえば、店舗で買い物をした後に、ECサイトからメルマガが送られてきて、同じ商品をしつこくリコメンドされたとしたら、顧客にとっては迷惑でしかありません。

w-d-w-n-c-f-c-o_002そうした事態を避け、顧客に対して統一されたCXを提供するためのツールがCDPです。CDPを導入し、各事業部が保有するデータを共通のキーを使って名寄せを行い、「顧客データの一元化」を行います。

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顧客データを一元化をすることで、各事業部が個別に持っていたメールアドレス、電話番号、店舗のPOS、来店履歴、ECの購入履歴などが、顧客IDに紐付けられ、常に最新の状態に管理されるので、顧客理解の解像度が一気に高まります。

最適なタイミングに、最適なコンテンツ、最適なチャネルで顧客の意向に合わせた情報を提供できるようになることで、CXが高度化し、顧客満足度の継続的な向上につながります。


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CDPを導入するメリット

従来、流通業界では、顧客データを収集・保有しているのは小売企業だけでした。しかし、スマートフォンが普及し、デジタルが日常に浸透した現在、メーカー自身も顧客データを直接収集できるようになりました。ユーザーの同意を得て収集した1stパーティデータをCDPで管理・統合・分析すれば、さまざまなコミュニケーション施策に活用することができます。

w-d-w-n-c-f-c-o_005CDPで一元化した顧客データの活用範囲は、広告、MA、コールセンター領域だけに留まりません。最近では、営業改革やサービスデザイン、商品開発を行う例も出てきています。さらには出店計画、エリアごとの在庫管理など、経営企画に関する部署での活用も目立っています。

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アウトドア用品メーカーのCDP活用事例

CDPを導入し、CX向上に活用しているアウトドア用品メーカーの事例を紹介します。

この企業では、それまでにさまざまなCX施策を実施していましたが、「CDPを導入して、もっと統一された高度なCXを提供したい」ということで、電通デジタルにご相談をいただきました。

依頼を受け、まず保有データと管理状況の確認、課題の洗い出しを行いました。

保有データとしては、ECの購買、直営店での購買、アプリの閲覧、広告に対するレスポンス、購買を伴わない直営店への来店(イベント)など、さまざまなチャネルのデータがありました。

ただ、その時点で実施していたCX施策は、ECの購買行動履歴のデータのみに基づいて設計されていました。顧客データを一元化し、他のデータを併せて活用することで、さらなるCX最適化を進められる可能性がありました。

そこで私たちは、CDPを導入して、すべての顧客データを顧客IDに紐付けて一元化し、クライアント企業の担当者と相談の上、改めてカスタマージャーニーの見直しを行いました。

カスタマージャーニーに関しては、顧客のニーズやライフステージに合った幅広い商品やサービスの提供だけでなく、ブランドパーパスを考慮した設計を行いました。環境保護への意識や行動を促し、コミュニティを拡大する循環型のカスタマージャーニーを形成することを意識しました。

具体的には、商品を購入していただくだけでなく、できるだけ長く使い続けてもらうこと、もし手放す際にはリサイクルを検討していただくこと、といった環境的貢献的な行動もジャーニーの評価指標に組み込みました。

並行して、カスタマージャーニーに沿ったCX最適化施策を実現するために、CDPを中心としたシステムの構築を進めました。Google Cloud Platform+BigQueryにデータを格納し、データセグメントからMA、BI、広告配信などにつなげる形で構築しています。裏側のアーキテクチャの部分も、私たち電通デジタルで担当しています。

CDPの導入に際しては、クライアント社内の複数部門との調整も必要です。これについても、さまざま専門領域を持つ電通デジタルならではのノウハウや人材を活用することでスムーズに進めることができ、クライアントの担当者の方にも非常に満足していただきました。

電通デジタルの強み

上記の事例のように、マーケティング領域とシステム領域の両方を担当できるのは、電通デジタルの強みの一つです。

マーケティング施策立案から、施策を実現するためのプラットフォームデザインまで一気通貫で実施することで、ワンストップできめ細かいサービス提供ができる点が、私たちの最大のケイパビリティだと自負しています。

電通デジタルには、組織コンサルティングや業務設計を専門とする部門もあります。CDP導入を機に、組織運営と業務改革も含めたかたちでプロジェクトを進めたいというご相談にもお応えすることができます。

また、さまざまなアドテクノロジー企業とアライアンスを結んでいるのも、大きな強みです。CDPだけではなく、MA、BIなどのマーケティングツールの導入や、運用支援などのソリューションへの接続もスムーズに進められます。この多彩なアライアンスにより、皆様のご要望に叶った施策実現に寄与します。

高橋 司 Tsukasa Takahashi

アカウントイノベーション部門アカウントディベロップメント部 シニアコンサルタント
2019年に電通デジタルに入社。主に企業が保有するCRMデータのコンサルティング業務に従事。にお客様の課題特定から最適なソリューション提案を行い、現在はメーカーに向けたデータマネジメント支援を行っている。

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