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2021.05.10

顧客のエクスペリエンスを強化するために、今必要とされていることとは? Tangramsのアワード審査員を通しての気づき

Tangrams Strategy & Effectiveness(以下、Tangrams)は、ビジネスとブランドの変革に確かな成果をもたらすマーケティング戦略を実施したクライアントと、その代理店を称えるもので、アジア太平洋地域では最も権威ある賞であり、Effectiveness、Media Strategy、Digital Strategy、E-commerce、Data & Analyticsの5部門において競われます。

私は今年のTangramsのAsia Data部門とE-commerce部門の審査員を務めました。

アワードの審査員を務めると、いつも何かしら学びがあります。クラス最高のものからインスピレーションを受け、自分自身の顧客と業界自体について振り返る機会になります。

今回もアジア諸国からたくさんの応募があり、審査の過程や選出された最優秀作品などから、誰もが応用できる学びと発見がありました。


まずアイデア、テクノロジーはその次

テクノロジーは人やモノをつなぎ、あらゆるエクスペリエンスを実現します。テクノロジープラットフォームやマーケットプレイスのほとんどは、すぐに使えるという性質をもっているため、簡単に素早く市場投入することができます。特に昨年は市場投入までのスピードが一部の企業にとって死活問題だったため、このことは高く評価されました。しかしエクスペリエンスのプランニングの段階では、最終的にエクスペリエンスを供給する手段となるテクノロジーよりも、もっと大きな視点から考えることが重要です。まず「もしこうしたらどうなるか」について考え、次にそれを実現するために役立つソリューションを特定します。そうすることで、多くの場合、驚くべき技術インフラとエコシステムに行き着きます。受賞作品のいくつかはこの点が共通していました。たとえば、2つのデータベースをつなぐための独自のテクノロジーインターフェースを構築したケースや、革新的なベンダーとの提携または統合などしていました。ほとんどの場合、ブランドとそのマーケティングチームが枠に囚われない思考をすることで、差別化されたエクスペリエンスを実現させ、企業の業績へ良い影響を与えています。

セグメントごとではなく個人ごとにパーソナライズする

私たちは、パワフルなテクノロジーと、かつてないほどデータへのアクセスが可能な時代に生きています。ほとんどのブランドはパーソナライズ機能の開発を始めていますが、ブランドの多くは一人ひとりに合わせたパーソナライズなどは夢物語だと思っています。それはおそらく、非常に複雑なテクノロジーが必要と考えているか、企業がテクノロジーに精通していないかでしょう。その結果、ブランドはセグメントやグループに焦点を合わせてエクスペリエンスをパーソナライズしがちです。しかし、それは少し大雑把すぎるかもしれません。セグメンテーションにとどまらない発想として、ソーシャル・インテグレーションやゲーミフィケーションなどがあります。ユーザーのソーシャルメディア・プロファイルをブランドエクスペリエンスに連携させ、そこから得られるデータを活用し、対応するエクスペリエンスを構築します。エクスペリエンスのゲーミフィケーションの際には、ブランドは、「ゼロパーティデータ」、つまり顧客がブランドとの対話のために進んで共有したデータを収集することができます。依然として、根本的にエクスペリエンスでセグメント化されてはいますが、ユーザーまたは顧客にとって、そのエクスペリエンスははるかに個人的なものであり、ユーザーだけでなく、おそらくブランドの業績にとって、はるかに「意味のあるもの」になるのです。

アワードに応募するというのも、マーケティングのプランニングを開始する良い方法です。エクスペリエンスを強化する機会に関する気付きがあるはずです。応募フォームを分析し、カテゴリーを精査し、設問への回答を考える作業を通じて、エクスペリエンスを強化できる領域をきっと見つけられることでしょう。さらに最終候補者リストと受賞者発表の時も、絶好の振り返りの機会になります。結果を分析し、「これらを参考にして、どうやってアイデアを得るか、どうやって類似のメカニズムを活用できるか」を自らに問うのです。

こういった賞に応募することは、マーケティング業界全体と関連企業の進歩につながるだけでなく、ブランドの認知度を上げる効果もあります。特にTangramは、他の類似のアワードとは異なり、クリエイティブの見栄えの良さだけに焦点を当てるのではなく、結果の有効性や前例のない独自性につながったマーケティング・エフェクティブネスや戦略を表彰することから、説得力があります。戦略に対するアワードはクラス最高のアイデアを考え出した人材、そしてそのような才能ある人材を長期的に引き付けた企業を表彰します。

マーケティング業界は昨年、大きな進歩を遂げました。これまでには見られなかった勢いで、限界を超え成長を加速するような思考を積極的に取り入れました。今年度も引き続き、この気運に乗じてブランドを進化させ、「クラス最高」のエクスペリエンスを目指しましょう。次回のTangramで、今年の受賞作がどのように将来のエクスペリエンスに影響を与えたかについて、見られるのを楽しみにしています。

カーダー ジェネッサ Jenessa Carder

CXストラテジー本部付 シニアエグゼクティブストラテジープランニングディレクター
電通アイソバーにて、消費者体験(CX)戦略担当バイスプレジデント。美容、CPG、ハイテク、ヘルスケア、フィットネスなど様々な業界の世界中のクライアントに対して、キャンペーン、製品発売、デジタルエクスペリエンス、トランスフォーメーションプロジェクトにおいて10年以上のコンサルティング経験を持つ。

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