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2021.12.24

事業を成長させる正しいPDCAとは? データドリブンな施策を実現する電通デジタルの”Commerce Data Hub”

EC事業のマーケティング成果を高める上で、データの効果的な活用は重要なファクターです。しかし、マルチプラットフォーム運用での煩雑なデータマネジメントやレポーティング工数の不足等により、意思決定をスピーディに行うことは簡単ではありません。大量のデータを十分に活用するには、正しいPDCAを回すことが重要です。

本記事では、現在のEC事業においてありがちな課題を例に、電通デジタルの提供する「Commerce Data Hub(CDH)」がどのように解決へ導くのかを、電通デジタル コマースディレクション事業部 コマースプランナーの延命敬一郎と、チーフデータストラテジストの水上悠太が紹介します。

(この記事は、10月25日〜10月29日に開催した「Commerce Week 2021」のセッションの採録です。)


事業成長に不可欠なPDCAと課題

そもそもEC事業者が突き詰める普遍的な問いとは何でしょうか?それは「どうすれば売り上げ・利益を上げることができるのか」ということに他なりません。EC事業への参入が珍しくなくなった中、EC事業の課題は複雑化し、それに対するソリューションもまた多様化しています。

そんな中、「Commerce Week 2021」各セッションで共通して用いられてきた言葉、それが「PDCA」です。当たり前のように使われるPDCAという言葉ですが、「PDCAの実行はそんなに簡単なものなのでしょうか」と延命は問いかけます。延命の答えは「No」。自身の事業会社時代の経験を振り返っても、決して簡単ではないといいます。

確かに、PDCAサイクルは事業の基本ですが、クライアント企業担当者と会話をすると、さまざまな悩みをお持ちであることが分かりました。

例えば、よく聞く課題として「PDCAサイクルのスピードが遅い」というものがあります。これは他社との厳しい競争の中では致命的な問題だといえます。また「データから課題が見つからない」、「正しくデータを読み解けない」という声も聞きます。これは施策の結果をきちんと分析できておらず、データドリブンに施策を実行できていない状態だと延命は強調します。その結果、「効果的な施策が思い浮かばない」などといったことは現場でも多く発生しています。

PDCAは事業成長において欠かせない要素ですが、クライアント企業の現場においてそれが正しく実行できていないことは、「電通デジタルにとっても大きな課題だ」と延命は考えます。なぜなら、電通デジタルはビジョンとして、クライアント企業の「事業成長パートナー」を標榜しており、正しいPDCAの実行を支援することが電通デジタルの使命と考えているからです。そこで我々は、スピーディーかつデータドリブンにPDCAの課題を解決するプラットフォームとして”Commerce Data Hub(CDH)”を開発しました。

“施策実行PDCA”をスピーディにデータドリブンに実行するには?

水上はまず、電通デジタルがコマースのデータ領域でクライアントと並走する際によく使うフレームワークを紹介しました。

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事業や顧客の分析を中心とした大きなPDCA(Large PDCA)と、施策実行を中心とした小さなPDCA(Small PDCA)を組み合わせています。大きなPDCAでは、顧客分析や市場調査を元に優先すべきセグメントを選定し、顧客の属性や行動の特徴を分析して、ターゲット顧客像と顧客が何を求めるのかという訴求軸を整理していきます。また、事業計画を踏まえて、KPIとその目標値を定めます。それらを踏まえ、小さなPDCAである「施策実行PDCA」において、KPI目標値の達成のための施策としてオペレーショナルKPIを定め、それらを達成するための広告に対する予算配分などを行います。Webサイト内施策やCRM施策の実行を繰り返し行い、効果的な施策を標準化するプロセスも含まれます。

このPDCAを回す際に課題となるのが、「いかにスピーディに、データドリブンに行えるか」ということです。そのアプローチの1つとして電通デジタルが提案するのがCDHの活用です。
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CDHは、名前の通りコマース関連のデータのハブの役割を果たします。WebサイトのアクセスデータやEC注文履歴、ECモール内検索データをはじめとした各種データを取り込み、BIダッシュボードで表示したり、顧客分析やメディアプランニングをしたりと、具体的な施策へとつなげていきます。CDH内にはあらかじめデータの定型化や統合処理といったパイプラインが構築されているため、データのつなぎ込みさえできれば垂直立ち上げ的にデータ基盤を作成可能です。

BIダッシュボードでPDCAを加速

続いて水上は、CDHの多彩な機能の中から「BIダッシュボード」と「Profiler」を紹介しました。

BIとはBusiness Intelligenceのことで、BIダッシュボードの主な機能としては、データの統合/管理、KGI/KPIのモニタリング、深掘り分析による施策/効果検証の3つがあります。データの統合/管理により、レポートを自動で作成するなど業務効率化を図り、迅速な意志決定を可能にします。ダッシュボード上でKGI/KPIをいつでもモニタリングできるようになることで、現場から経営層までがボトルネックとなっている部分や事業計画に対する進捗をスピーディに把握できるようになります。さらにデータを活用した深掘り分析によって施策の効果検証を行うことで事業成長にも貢献します。

次に水上はダッシュボードの一覧を紹介しました。KPI Summaryのシートで事業の状況を把握しつつボトルネックを発見し、商品軸や顧客軸など各テーマ別のシートで細かい分析を行います。これらの画面をプリセットで用意しているため、データをつなぎ込むだけで各画面に自社のデータが反映されます。

2つの活用事例を挙げて、水上はBIダッシュボードの具体的な利用方法を説明しました。

1つ目はECの典型的なKPIツリーに基づいた施策実行の例です。昨対比で売上総利益が減少しているという事象が発生し、KPIツリーの数値を見た結果、セッション数と注文完了率にボトルネックがある、と発見したと仮定します。これだけでは、まだ打ち手が見えてきません。

探索的分析から購買に至るファネルを属性ごとに見ると、若年層の注文完了率が悪化していることが分かりました。そこで、新商品の価格帯が若年層に合っていなかったという仮説を立て、その検証プランを策定、実行することが可能となります。このように数値を基に、データドリブンに施策を打ち出すことができます。

2つ目に水上が紹介したのは、LTVに基づく施策の例です。LTVが向上しておらず、新規顧客獲得コストが増大し、広告で新規顧客を獲得するほど赤字になる状態になっていました。そこで初回購入時の流入メディアに差があるのではないか、という仮説を立てます。

ダッシュボード上で数値を見ると、媒体Aと媒体Bの間で半年後のLTVに大きな差があることが分かりました。初回購入時の金額にはあまり差がありませんが、媒体Bはリピート購入が多かったため、媒体ごとに上限となるCPAをシミュレートし、広告運用管理を強化。さらに検証プランを作り、実行しました。

BIダッシュボード上では日々最新データが更新されていくので、施策が効果を発揮しているのか、トラッキングすることができます。

続いて、プリセットされている項目一覧を紹介。その中でも特に人気があるという「顧客プロファイリング」と「モール内検索順位」について詳しく説明しました。

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●顧客プロファイリング
最初に分析対象と比較対象を設定します。例えばヘビーユーザーを分析する場合は、比較対象にミドル・ライトユーザーを設定します。性別や年代、居住エリアなどの属性を見たり、どのような商品を購入しているのかを直感的に見たりすることが可能です。

●モール内検索順位
現在、複数の大手ECモールに対応しており、特定のワードで検索した際の自社製品の順位を日時でトラッキングします。ランクの変動に応じて広告出稿設定を変えたり、商品名のチューニングなどに生かしたりすることが可能です。競合を含めたブランドごとに閲覧、ブランドや店舗別の占有率をトラッキングすることも可能です。検索順位はオーガニックだけでなく、広告枠内の順位も閲覧でき、デバイス別の絞り込みも可能です。

CDH Profilerによってデータドリブンな施策を実現

CDH Profilerは、顧客をより深く理解するためのツールです。ECサイトにDMPのタグを埋め込み、購買データを電通が持つ国内最大規模のDMPである「People Driven DMP®」と連携して分析します。このDMPは、ユーザーの許諾を取った上で、Webサイトのアクセス履歴やテレビ視聴データ、位置情報、アンケートパネルなどのビッグデータを統合したものです。顧客が自社サイト外でどのようなことに興味を持ち行動しているのかを把握できるようになります。さらにコンバージョンユーザーや高LTVユーザーなどのセグメント別で比較することで、顧客理解を深め、施策につなげることが可能です。

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また顧客の興味関心を理解しながら次の施策へとつなげられるのがCDH Profilerの特徴です。さらに購買商品カテゴリごとに顧客の興味関心を把握したり、リサーチパネルの属性から顧客のデモグラの特徴を把握したり、アンケートデータや位置情報データとの掛け合わせによって顧客理解を進めたりすることも可能です。

ECの課題解決をサポートするCDH

最後に、延命がCDHの連携プラットフォームや仕様について紹介しました。大部分のECサイトが利用しているECプラットフォームには対応済みで、さらに拡大中です。これらのプラットフォームでは新規開発を行うことなくCDHを利用できます。

また、CDHにはスタンダード版の「CDH BI」とカスタム版の「CDH BI Pro」の2種類があります。「CDH BI」は、各種連携プラットフォームからのデータ取得が可能です。一方、「CDH BI Pro」ではオフラインデータや広告コスト情報、広告実績、外部市場調査データ、メール配信/行動などの幅広いデータを用いた分析が可能となっています。

事業を成長させる上で、スピーディかつデータに基づいた迅速なPDCAは必要不可欠です。しかしPDCAは大変難しく、さらに地道で地味な作業という側面もあります。だからこそ「PDCAの支援をすることが、皆さまの事業成長への貢献でもあると確信している。CDHを利用して皆さまの事業のお力になりたい」とセッションを結びました。

延命 敬一郎 Keiichiro Enmei

コマースディレクション事業部 コマースプランナー
数社の事業会社のECサイト構築、運用、機能改善までを経験後、ECサービス提供会社で自社プロダクトのプリセールスにマネージャーとして携わる。
クライアントのデータベースマーケティングの促進のため、日々”Commerce Data Hub"を用いたコマースコンサルティングを提供している。

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