2020.11.05

今こそVR(仮想現実)でストーリーテリングを行うチャンスです

ウィズ・コロナの今、消費者が自宅で過ごす時間が以前より増えている。Googleの報告によると、今年の夏、日本国内の多くの人が以前より+4〜7%の時間を自宅で過ごしています。東京都で緊急事態宣言が行われ、外出自粛がピークに達した時には、都民の自宅にいる時間が24%も増加しました。これは、1日で1〜1.5時間分、1カ月で1〜2日分多くの時間を家で過ごすようになったことを指します。
新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の拡大とは別に、多くの人が祝日を自宅で過ごす傾向も見られます。データによると、15〜20%もの人が休日・祝日を自宅で過ごしています。そのため、企業やブランドは、「ひきこもり消費」にも適応したサービスを提供することが求められているのです。
ステイ・ホームにより生じたもう1つのトレンドは、退屈感でしょう。退屈感とはやりがいのある何かに貢献していると感じられないことであり、「退屈」な気持ちから解放されるためには、その原因を突き止める必要がある、と専門家は指摘しています。つまり、企業やブランドのビジョンに顧客を招き入れることで、蔓延する退屈感を解消するきっかけをつくることができるでしょう。 
全ての企業や組織には、ストーリー・価値観、目的と存在意義があります。そして多くのマーケターによると、成功する・しているブランドや企業は、大抵、顧客がその価値観や存在意義に共感しているのです。それでは、ブランドの目的が、人々の退屈感を解消することであり、価値の共創にまで至るには、どうすればいいのでしょうか?

その答えは、ウィズ・コロナの新常識であるバーチャル(仮想)体験にあります。バーチャル体験はひと昔前、ごく一部の消費者向けのサービスでしたが、2020年において、バーチャル体験の概念は急速に変化しています。ミュージアムやショッピングモール、専門店などを中心にバーチャル体験が広がっていることからも、わかるように、ブランドや企業にとって、今こそVR(仮想現実)でストーリーテリングを行うチャンス。
こうしたバーチャル体験に共通していることは、拡張・埋め込み型のインタラクティブなコンテンツで構成されているということです。具体例として、Googleストリートビューのように360度撮影したパノラマ画像の中をユーザーが自由に動き回ることができるサービス、メルボルン・クリケット・グラウンドのようにスクロールできるコンテンツ、メルセデス・ベンツ博物館のように静止画や動画のコンテンツにユーザーが参加できる埋め込み式のホットスポットなどがあります。つまり、楽しいホットスポットやコンテンツが多ければ多いほど、顧客体験はより魅力的になります。また、Dior Champes Elyeesの仮想店舗のようにひとつの店舗でお買い物をするよりも、46の店舗と参加型スペースがある中国のK11のバーチャル・ショッピングモールでお買い物をするほうが魅力的に感じられるでしょう。
こうした顧客体験は、製品や実店舗といったすぐに購入できるサービスを中心にしています。しかし、ここで重要なのは、全てのブランドには歴史や目的、プロセスや進化を通じて豊富なコンテンツがあり、それらを利用することでより強靭な仮想体験を顧客に提供することができるということです。例えば、ファッションブランドのValentinoは、ブランドの歴史、創作プロセスとビジョンを重視した仮想ミュージアムをつくり、ブランドの世界観にどっぷりと浸ってもらうため、3Dスペースも設けております。また、ホンダを始めとした多くの自動車メーカーは、ミュージアムの360度画像、ホットスポット、アーカイブを利用して、顧客がいつでも楽しめるエンターテインメントサービスを提供しています。
それでも、これまで述べてきた事例はまだ控えめな方でしょう。というのも、デジタル体験を通して、顧客にブランドや企業の世界観に浸ってもらうこともできるからです。デジタル体験というと、費用がかかり、複雑でとっつきにくいように聞こえるかも知れませんが、必ずしもそうではありません。デジタル体験とは、顧客に積極的に参加してもらうためのコンテンツを作り出すことだと考えれば、簡単なことです。例えば、うんこミュージアムでは、拡張現実(AR)技術を利用して視聴者のブランド体験への参加を促すような仕掛けをいくつも用意しています。その1つが、飛んでくるうんこをタイミングよくスクリーンショットに収めるゲームです。ほかにも、ARのうんこなど、いくつかの画像を背景にうんこと一緒に写真が撮れるシンプルなフォトサービスがあります。このような体験は、先述したような、写真や文章を使用したより静的なコンテンツとの組み合わせで提供されています。全ての仮想体験が、うんこミュージアムのように完全にバーチャルである必要はありません。ドイツの自動車メーカーアウディは他の仮想ミュージアムツアーや仮想店舗のように既存の施設を使用していますが、デジタルウォークスルーではなく、予約制で工場のライブストリームツアーを提供しています。予約制なので、参加者はリモートで実際のツアーガイドと対話し、よりインタラクティブな体験をすることができるのです。
ここまでに挙げた事例のほとんどが継続的に実施する必要のあるものでしたが、日本の顧客が祝日に仮想体験を求めることが多いことを考えると、短期的な顧客体験、特定のメッセージ、フラッグシッププロモーションに特化した体験の提供も有益でしょう。 例えば、ポケモンは1カ月間のポップアップイベントを通じて、他の「仮想遊園地」よりもさらに没入型でインタラクティブな体験を構築しました。顧客が「遊園地」内を探検したくなるように、隠れたポケモンを探したり、ブランドの仮想アイテムを集めて店舗でスクリーンショットを撮影したりする体験を提供しています。この試みでは、チャットベースのゲームやライブチームによるイベントを利用して顧客を魅了し、話題になりました。ここでは、ブランドの世界観に顧客を引き付けておく試みがみられます。
ブランドや企業は常に、顧客を自身の世界観に没入させ、顧客の生活の一部になることを目的としています。ウィズ・コロナで顧客がバーチャル体験を渇望している中、ブランドや企業がバーチャルで没入的な顧客体験を作り上げるチャンスです。言い換えれば、コロナ下で事業サービスを改善したり、新しいアクションを起こした多くのミュージアムに見習って、顧客をブランドの世界に引き込む時が来たのです。電通アイソバー(現 電通デジタル)は、貴社のブランドストーリーや価値観を仮想化し、顧客が楽しみながらブランドの世界観に没入できるような体験づくりをお手伝いいたします。

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