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2021.12.10

目指すは広告効果最大化! モールで「売れる」商品ページが出来るまで

ECのために広告を打ってもCV(コンバージョン)が上がらない要因には、商品ページに課題があることが多くあります。たとえば、「ECモールに出品はしたが、ありものの画像を入れただけで放置している」「他モール用に制作したものをそのまま入れている」「商品情報はカタログや説明書からそのまま抜粋している」「作りこんでいないが、それなりに売れているのでそのままにしている」、こうした商品ページにはもっと売れる可能性が残されています。

商品ページの課題を解決して転換率を改善することは、広告効果の最大化につながります。そこで、電通デジタル コマース部門 クリエーティブグループの東條周子は、ECモールに広告出稿を行っている方、あるいはこれから出稿を考えている方に、効果的な商品ページの作り方、メソッドを紹介しました。本稿では、その内容をお伝えします。

(この記事は、10月25日〜10月29日に開催した「Commerce Week 2021」のセッションの採録です。)


商品ページの役割とは?

まずは、ECモールでの売上UPに必要なアクションをファネルに落とし込んだ図を通し、商品ページ強化の必要性について説明しました。

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「認知のためのモール外広告や、売り場内での効率的な棚をとるためのモール内広告といった各フェーズでの広告施策がある。そして、その広告を見たユーザーが辿り着くCVの場としての商品ページがある。お客さまの購買に一番近い商品ページの最適化は、広告効果の最大化に重要であることは明らかである」(東條)

では、商品ページの役割は何でしょうか? 東條は、大きく分けて次の2つがあると言い、その効果的な施策について紹介していきました。
・SEO
・接客

SEOの観点で作る商品ページ

●検索結果の1ページ目の上位に表示されることが重要
では、商品ページ作成において、「SEOの観点」から重要なことは何でしょうか? 東條は、ECモールでの例をあげ、次の2点にわたって「検索の1ページ目の上位に表示させることの重要性」について説明しました。

・多くのユーザーは、検索バーにワードを入れて商品を検索するところから購入がスタートするが、35%は検索結果の最初の商品をクリックし、70%は検索結果の2ページ目以降の商品をクリックしない。いかに1ページ目に自社商品を表示させるかが大事なポイントになる ※Source: Millward Brown, 2014

・検索順位によってCTR(クリック率)、CVR(コンバージョン率)、商品ページの閲覧数にも大きな差が出ることから、検索表示で上位をとることは、実店舗でお客さまの目につきやすい良い棚をとることと同意義である

こうしたことから、東條は、「商品売上をドライブさせるためには、まず自社商品がどのポジションにあるかを理解して対策を練ることが大事だ」と語りました。

接客としての商品ページ

商品ページのもう1つの役割である「接客」について、東條は次のように実店舗の例をあげて説明しました。

「SEO対策は、実店舗にたとえると良い棚を獲得するための対策だと言える。そして良い棚の獲得後に大事になるのが、良い接客だ。ECでも、商品を手にとったユーザーに対して適切な接客を実施し、その場で購入に結び付けることが重要になる。お客さまにその場で、今買おうという気持ちになっていただく、そのために必要な情報を商品ページの中に余すところなく伝える必要がある」(東條)

●買いたい気持ちを作るためのストーリー
検索結果経由で商品ページに訪れても、ページを見て気に入らなければ、すぐに離脱してしまいます。東條は、こうしたユーザー行動を通し、商品ページでは「来訪したユーザーに買いたい気持ちを作ることができるか」がポイントになると語り、そのための電通デジタルの「ストーリー設計」について解説しました。

●商品ページで最も重要になるのが「ベネフィット」
東條は、商品ページの中で最も大事な要素である「ベネフィット」を、「メリット」と比較しながらさらに詳しく解説しました。

メリット:「売る側の視点」からの商品の売り、特徴。商品ページの失敗例として、メリットの表現のみで終わっていることが多い。

ベネフィット:メリットによってもたらされる結果や変化のことで、「買う側の視点」に立った表現。お客さまは、やりたいこと、できないことを解決するために、商品・サービスを探している。商品・サービスは、お客さまが得たい結果や変化、つまりベネフィットを得るための手段でしかない。

「ユーザーが忙しくて料理をする時間がない場合には、“美味しいものを食べたい”“健康が気になる”“料理の時間を他のことにあてたい”という潜在的な心の声がある。単なる時短がかなう炊飯器や調理器具という訴求で終わってはいけない。時短がかなう炊飯器によってもたらされたベネフィットは何か。たとえば“自分の時間が増えた”“家族との時間が増えて生活がさらに豊かになった”といった変化を見せてあげることが大事になる。変化を適切な情報量でアピールする商品ページに改善することがポイントになる」(東條)

つまり、商品ページで重要なのは、「変化がわかるイメージの訴求を必ず入れ、買いたい気持ちを作るストーリーを表現することだ」と東條は力説しました。

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ECモールの商品ページのテンプレート

次に、ECモールに商品ページを作成する際の汎用的なテンプレートを紹介しました。

東條は、「きちんと訴求したいことを絞り、取捨選択をして表現する必要がある」とし、次の3つの要素がメインになると解説しました。

・キャッチ:ランキング、累計販売個数などのベネフィットを伝えることで、興味をもって読み進めてもらう役割がある。
・ボディ:競合優位性などによって、お客さまの課題解決ができる商品であることを伝え、欲しいと思ってもらう「接客」の役割を果たす。
・クロージング:今だけ、あなただけなど、今買う理由付けや限定感のあるオファーによって購入動機になる役割をもつ。

各モールごとに登録方法やテンプレートは異なるものの、東條は「商品ページで表現すべきことはすべて同じ」だとし、「買いたい気持ちにさせることが商品ページだ」と語りました。

買いたい気持ちにさせる「商品ページ」作成のプロセス

そして、「買いたい気持ちにさせる」を実現するための商品ページ作成プロセスを紹介しました。

●STEP1 自社商品分析:大事なのが「徹底的なお客さま目線」で商品を見直すこと。「お客さまの知りたいこと」を「ユーザーが知りたい順番」に作られているかを常に考える必要がある。

●STEP2 売り場・競合分析を実施:競合他社との比較から、自社商品の同質化ポイント(ユーザーが最低限商品に求めている必須ポイント)を網羅し、差別化ポイント(他社と比べた際の優位性を示すパート)を洗い出すことが重要になる。

●STEP3 レビュー分析:レビュー分析で、どの要素が購入のドライブになっているかを確認する。留意したいのが、「メーカー側が見せたい情報とユーザーが決め手としている情報とに齟齬がないか」ということ。

●STEP4 訴求ポイントの整理:STEP1~3から洗い出された要素から、打ち出し内容、強みを整理して掲載の優先順位を決定していく。その際、なぜこの商品はこの形状なのか、なぜこの価格なのかといった「なぜ」を深堀していくことでユーザーの納得につなげることができる。

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●STEP5 ストーリーを考える:これまでのSTEPでのデータと、先述した「買いたい気持ちを作るためのストーリー」を参考にしながら、訴求する要素と順番を決定していく。

●STEP6 「買いたい」気持ちを想起させるクリエイティブの制作:デザインの際には、視認性を加味したフォントサイズ、アイキャッチとなるカラー、ターゲットに合ったモデルや素材の選定など、適切なコミュニケーションを心がける。カタログやブランドサイトからの抜粋をそのまま掲載することは応急処置でしかない。きれいだけれど買いたい気持ちが動かないデザイン、情報を過度に詰め込みすぎるのはNG。

●STEP7 管理画面から反映、公開:最後に、管理画面から公開する。

商品ページのゴールとは?

最後に東條は、商品ページのゴールを次のように提示しました。

商品ページのゴール:商品ページに来たユーザーに、お客さま目線から導き出した最高の接客をしてCVR向上に寄与する

そして、「これは広告効果を最大化するために必要な要素でもある」とし、「電通デジタルでは、各種分析に基づいた、徹底したお客さま目線での商品ページ制作だけでなく、各モールの特性を理解した専門チームが店舗全体の効率的な改善も行える。ECサイト運営のパートナーとして広告効果を最大化し、エンドユーザーに魅力を最大限に伝えるお手伝いをしていきたい」と結びました。

東條 周子 Shuko Tojo

コマース部門 コマースデザイン事業部 クリエーティブグループ グループマネージャー
ECサイトディレクション担当歴12年。Eコマース売上支援会社にて大型ECサイトの新規構築、リニューアルのディレクションを多数担当。サイト制作実績は食品系、アパレル系、美容系、インテリア系など多岐にわたる。2018年に電通デジタルに入社。2019年アドテック登壇。自社サイトからモールまで、それぞれの売場の特性を踏まえた「売れる」サイト構築提案が強み。

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