2020.09.10

Next World ExhiVision 〜日本の街、そして社会を、アートの力で鮮やかに〜

※所属・役職は記事公開当時のものです。

エクスペリエンスデザイン本部
クリエーティブ部
シニアクリエーティブテクノロジスト

川村 健一

コロナ禍における緊急事態宣言下、皆さんはどのようにお過ごしでしたでしょうか?
私は、強く考えていたことがあります。

“アートの力で世の中を明るくできないものか?”

ステイホームの掛け声の下、多くの興行が中止を余儀なくされ、アーティストの多くは活動の場を失っていました。私自身、昨年までは多くのイベントに出演させていただいていましたが、今年はリモート参加のみ。弊社の業務も早々に在宅作業に切り替わり、最低限の買い物以外はほとんど家から出ない悶々とした日々が続いていました。

NEWSでは、連日、感染者数が報じられ、悲観的な空気が世の中に満ちていました。クリエイティブワークに従事する私からすると、世の中全体がモノクロに覆われているように感じられ、“明るい世の中に変えられるのはアートの力なのではないだろうか?” そのような課題意識が日に日に高まっていきました。

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そんな中、一つのアイデアが生まれました。

““全国のデジタルサイネージを活用して、アートで日本の街を染められたら、どれだけ素晴らしいことだろうか?””

実現に向けて、思いつく方々へ連絡を取り始めました。

その中のお二人が、日本のみならず、世界のアートシーンに通じた*竹川 潤一氏(株式会社デビッドワッツ代表取締役 / 一般社団法人MUTEK Japan 理事)。全国各地にデジタルサイネージを有している株式会社 LIVE BOARD 代表取締役社長 神内 一郎氏です。

当社内では、クリエーティブ部エグゼクティブ クリエイティブ ディレクター 谷口 昇司さんにロゴとステートメントを用意してもらいました。このような自主プロジェクトの場合、大切なのは頭数という数字にあるのではありません。領域の異なるパッションを持った個がコラボレーションすることが重要で、その結果として、スピード感あるアウトプットにつながります。今回の出会いには感謝しかありません。

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当初の企画とは異なる発想でのご相談を、竹川氏から2020年8月上旬にいただき、即検討を開始、その間無数の調整を繰り返し、8月後半に決定しました。結果、日本全国の71のサイネージが全く新しい概念で存在することになりました。
その企画とは、「第23回文化庁メディア芸術祭受賞作品展」(2020年9月19日(土)~9月27日(日) https://j-mediaarts.jp/festival/)開催にあわせて、街中で“アート”体験を!『第23回文化庁メディア芸術祭 × クリエイター』プロジェクトという計画で竹川氏がプランし、文化庁メディア芸術祭実行委員会と調整を重ねて実施に至りました。
「着想としては、このような状況に、ふと街中をみあげたらアートがでているっていう時間は今の日本に必要なことだとずっと感じていました。サイネージが、広告ではなくアートが投影されて、アーティストの表現の場になれるのであれば、そこに関わる人たちも、アーティストも、全員がもっているクリエイティブな気持ちを刺激することができそうだと確信しました。その部分はNext World ExhiVisionの企画で確認できていたので、かけあわせた形です。文化庁メディア芸術祭の気配を感じる文脈もさりげないですし、作品としては純粋なアート映像だけではなく、メディア芸術としてインスタレーション作品映像も含めて投影されるという点が気に入っています。『Next World ExhiVision × 23rd JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL』という名称は、電通アイソバー(現 電通デジタル)さんとライブボードさんでつくっていただき、ここに、街ゆく人も、アーティストにも夢のような時間と空間になるデジタルアートショーケースとして実現できました。継続されていくことに貢献していきたいです。」(竹川氏)

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電通アイソバー(現 電通デジタル)、竹川氏とコンセプトデザイナー/社会彫刻家の青木竜太さんを通じて、非常に幅広い領域のアーティストの皆様にご参加いただき、株式会社 LIVE BOARDが管理する、東京、北海道、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、福岡にあるデジタルサイネージを通して、アートが街中に展開されることになります。

アートの力で人々の心にあるフリクションを溶かし、明るい社会に変えていく。そんなチャレンジが、今はじまります。

●実施概要 期間: 2020年9月19日(土) ~2020年9月27日(日)(作品の放映時間は不定期です)
場所: 8都市(東京、北海道、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、福岡)71か所(2020年8月31日現在)のデジタルサイネージ
企画・運営: 電通アイソバー(現 電通デジタル)株式会社 / 株式会社デビッドワッツ / 株式会社 LIVE BOARD
公式サイト: https://www.next-world-exhivision.com/

メディア芸術祭情報
「文化庁メディア芸術祭」は、世界107の国と地域から応募された3,566作品の中から、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4つの部門ごとに優れた作品を顕彰するとともに、受賞作品の鑑賞機会を提供するメディア芸術の総合フェスティバルです。第23回は、世界107の国と地域から3,566作品の応募があり、高い芸術性や創造性をもつ優れた作品を顕彰選出しされた、受賞作品等の展示・上映や、ワークショップシンポジウム等の関連イベントを実施します。今回は、新型コロナウイルス感染防止対策として、来場人数を制限し、事前予約制にて開催。また、会場を360度VRカメラで撮影し、来場いただけない方も、特設ウェブサイトにてメディア芸術祭の世界観をお楽しみいただくことができます。さらに、受賞者トークイベントについても、特設ウェブサイトでの配信を予定しています。


●開催期間:9月19日(土)~9月27日(日)
会場:日本科学未来館(東京都江東区青海2-3-6)
入場料 :無料(事前予約制)
主催:第23回文化庁メディア芸術祭実行委員会
開催詳細は文化庁メディア芸術祭公式ウェブサイト( https://j-mediaarts.jp/festival/ )からご覧いただけます。

 

*竹川 潤一(クリエイティブディレクター)
david watts inc. -Founder | MUTEK JAPAN -Creative Director
コンテンツ開発やライブエンタテインメントに関わるクリエイティブワークを行うdavid watts inc.の代表。国際的レベルでの文化芸術活動の振興、普及、クリエイティブ産業の発展を目的として設立された一般社団法人MUTEK Japanの副理事。アジア唯一の電子音楽とデジタルアートの祭典『MUTEK.JP』のクリエイティブディレクターを務める。文化芸術に関わる才能豊かな人材の発掘・育成をサポートし、常に新しいアイデアやコンテンツの創出支援をコンセプトに掲げ、自由で実験的な表現の場を提供するクリエイティブプラットフォームのグローバル展開を図る。フェスティバルとしての活動とともに、クリエイターと地域コミュニティ双方の創造性開発の場づくり、受託事業におけるクリエイティブを担当している。2020年はプラグインハイブリッドなフェスティバルを開催予定。

*青木竜太(コンセプトデザイナー、社会彫刻家)
ヴォロシティ株式会社 代表取締役社長、株式会社オルタナティヴ・マシン 共同創業者、株式会社 無茶苦茶 共同創業者。「Art Hack Day」、「The TEA-ROOM」、「ALIFE Lab.」、「METACITY」の共同設立者兼ディレクターも兼ねる。主にアートサイエンス分野でプロジェクトや展覧会のプロデュース、アート作品の制作を行う。価値創造を支える目に見えない構造の設計に関心を持つ。
https://ryutaaoki.jp/

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