2021.02.10

グローバルに展開するプロジェクトを円滑に進めるには? 〜“デジタル×グローバル”の力で言語の壁を超え専門性の高い要望に応えるグローバルビジネス部〜

以前から進んでいた日本企業のグローバル展開やグローバル企業の日本展開は、このコロナ禍で「リモートでの業務遂行」が“ニューノーマル”になったことにより、さらに加速しやすい環境になりました。それは、生活者の選択の幅をさらに広げ、企業にとってはよりビジネスを拡大させる絶好の機会ともなっています。 一方で、その動きを支える現場の担当者らは、言語の壁や文化、習慣の違い、プロジェクト進行の困難さなどに悩まされることも…。 そうしたグローバルなプロジェクトを裏側でサポートするのが、電通アイソバー(現 電通デジタル)のグローバルビジネス部です。では、実際にどのような役割を果たしているのか? 電通アイソバー(現 電通デジタル) グローバルビジネス部 志磨 純奈の話を交えてお伝えします。

※所属・役職は記事公開当時のものです。

ビジネスリード第1本部
グローバルビジネス部
アカウントマネジャー

志磨 純奈

電通アイソバー(現 電通デジタル)のグローバルビジネス部とは?

Zoom

電通アイソバー(現 電通デジタル)は、国内の電通グループが持つ「スケールパワー」と「リソース」と、グローバル・デジタルエージェンシーとして世界45カ国と85以上の拠点でボーダレスにサービスを提供するIsobarが持つデジタルマーケティング領域における「グローバルの知見」を兼ね備えた企業です。

そのため、グローバル展開するクライアント企業の日本でのビジネス展開を支援する機会も多く、時には「プロジェクトマネージャー(PM)は日本の電通アイソバー(現 電通デジタル)が、そして、WebサイトやアプリなどのUI/UXの設計はIsobar US、システム開発はIsobar Swissが担当する」といった、大規模なプロジェクトに携わることもあります。

このような機会で得た知見を生かし、電通アイソバー(現 電通デジタル)のグローバルビジネス部は、グローバル企業の本社担当部署とその日本支社の担当部署とのやり取りの間に立ってプロジェクトを円滑に進めることもあれば、日本のグローバル企業に務める現場担当とその海外拠点の担当部署との間に立ってプロジェクト進行のサポートなども行なっています。

■参考記事 海外本社と日本支社のプロジェクトサポートの事例
ECにおける1to1コミュニケーション成功の秘訣 〜アンダーアーマーを手掛ける株式会社ドームの事例〜

■参考記事 日本本社と海外拠点のプロジェクトサポートの事例
グローバルでOne to Oneの顧客体験を届けたい。ブランディングを徹底した「ザ・ギンザ」ECサイトリニューアル

グローバル企業のよくある体制と課題とは?

Zoom

グローバルビジネス部で実際にいくつものプロジェクトに参加している志磨は、グローバル展開する海外本社と日本支社とのやりとりについて、次のような見方を示します。

「グローバルがヘッドクオーターになっている場合、彼らが各リージョンの担当部署に対して要望や指針を示し、それに担当部署が対応していく、という体制自体はどのプロジェクトでもそれほど大きく変わりません。そして、実際に“手を動かす”現地の担当部署が課題を抱えたり、壁にぶつかるポイントもある程度同じような傾向があるように感じます」。

では、現地の担当部署はどのような課題に直面することになるのか? 志磨は次のように語りました。

「海外の企業では、近年、ガバナンスの徹底や国が示したガイドラインへの遵守が求められており、各リージョンへのグリップを強める傾向があります。私が今担当しているプロジェクトも、本社が新たに示したセキュリティガイドラインを各リージョンに展開し、これに対応するように、との通知を送ってきたことで始まりました」。

こうした本社側の指示には当然ながら期限も指定されているものです。そして、程度にもよりますが、大掛かりな刷新や大規模な開発が必要な場合は期限内に進行できないリスクが想定されることもあります。

そのため、何よりまず着手しなければならないのは、「スタンダードの理解と、現状とガイドラインを比較してスタンダードのルールに抵触しているところがどこなのか、見極めることだった」と志磨は振り返ります。

しかし、上記のような事柄について、リージョンの担当部署内のリソースだけで対応し切れるとは限らず、また、「これを機に、現状のシステム構成などをITスキルや知識を豊富に持っているパートナー会社に継続的にサポートしてほしい」という新たなニーズが出てくることもあります。

今回の場合も、「リージョンの担当部署は、現状のシステムへの理解に加え、本社のシステム要求事項の把握、精査など専門性の高い領域を含めたプロジェクトへの対応を希望されていました」と、志磨。
さらに、その後に必要な「対応必須な項目への優先度付け」「レポートラインや承認プロセスなど、プロジェクト進行の枠組みづくり」「本社との交渉」など、円滑に進めることが難しい内容への確かなサポートも期待されたと言います。

このような内容の他にも、外部のベンダーに保守管理などの実務を依頼している場合、「英語の仕様書では対応ができない」といった言語の壁や、「指定されているツールやソリューション、システム要件を満たすものが日本ではメジャーではないため対応が難しい」といった問題に直面することもあるようです。

そうしたリージョンの担当部署と外部のベンダーが課題を抱えた状態で作業を進めてしまうと、混乱や意図の読み違いなど、プロジェクトの進行に支障をきたすことは容易に考えられるでしょう。

言語スキルだけでなく、専門性が高いリクエストにも対応できる知見でプロジェクトをサポートする

志磨は、前述のような場面においての電通アイソバー(現 電通デジタル) グローバルビジネス部の役割を、「海外本社と日本支社のやりとりの間に立って、クライアント担当者の代理あるいはチームメンバーとして、問題のありかを明確にしたり、情報整理をするなどして、プロジェクトに関わる全ての人が前に進めるようにサポートすること」だと言います。

加えて、「そのためには、言語はもちろん専門性が高いリクエストに対応できる知見や経験が不可欠です。クライアントの対応が難しい内容について『サポートしてほしい』という要望がよくあるので、場合によっては本社側と直接やりとりする必要も出てくるため、海外でのビジネスマナーが試されることもあります」とも言います。

そのようなプロジェクトを推進する能力だけではなく、とても身近な例としては、海外とのコミュニケーションを行なう上で、海外でメジャーに使われているコミュニケーションツールなどを使い、コミュニケーション効率を上げる必要もあります。

この点について志磨は、「電通アイソバー(現 電通デジタル)では、グローバル関連のプロジェクトにおいて、業界標準である『JIRA』や『Confluence』などのツールをいつも活用しており、その点はアドバンテージになっています。
複雑なやりとりやファイルのバージョン管理などが発生した場合、メールベースのコミュニケーションでは追いつかないことが多々ありますが、そうした時に『すぐにツールを導入して、タイムラグなく対応できる』という点は、とても些細なことのようですが、ベネフィットを感じていただけるポイントのようです。
むしろクライアントから、『ツールの使用方法についてレクチャーがほしい』という要望もあるほどです」と、付け加えました。

開発だけでなく、マーケティング等のローカライズにも知見を生かす

ここまで、開発をはじめとする海外本社と日本支社の課題について述べましたが、デジタル特有の「マーケティング活動に開発が不可欠な場面」でも、電通アイソバー(現 電通デジタル) グローバルビジネス部の知見は生かされています。

「特にご相談が多いのは、顧客とのコミュニケーションを深めてファン化してもらうようソーシャルメディアを活用した取り組みです。海外では、InstagramやTwitterやFacebook、中国ではWeChatやバイドゥが主に利用されています。一方、日本でコミュニケーションツールとして主流なのはLINEなので、リージョンの担当者は、『日本でこの施策を展開するにはLINEを使わなければ効果が得づらい』と説明し、LINEでの施策に変更するよう承認を得る必要が出てきます。
承認後は、『顧客データベースとどう繋ぐのか? 開発はどのようにすればいいのか?』といったことを説明し、場合によっては本社側で契約している海外の開発会社に開発してもらう必要が出てきます。
そうした際にはシステム開発の経験が不可欠で、クライアント企業の担当者が対応するには大きな負荷になるものです。そこで、国内で培ったLINEの開発案件の知見を生かし、海外の開発会社と直接やりとりするなどしてサポートできるのも電通アイソバー(現 電通デジタル)の強みです」と、志磨。

特に、ブランドのレギュレーションが厳しいラグジュアリーブランドや、専門知識と国内の法令を熟知していなければ問題が生じかねない製薬企業からは、全体像と個別課題を把握した上で解決策の知見を持っているパートナーとのやりとりに安心感を覚える、との声もあります。

■参考記事
ロンシャン・ジャパン事例:全社を巻き込んだ顧客体験設計『4Dアプローチ』とは?
CX Around the World - Pharmaceuticals 各国におけるCX 医薬品業界編

最後に志磨は、「グローバル企業もリージョンの担当部署も、最終的には顧客に良質な体験(CX)をもたらしたいと考え、それをゴールに据えています。そうした中で、『ログインが簡単じゃない』とか『知りたい情報にアクセスしづらい』といったデジタルでの障壁は企業側が真っ先に解消しなければならないことだと言えます。
私たちは、そのようなデジタル上での障壁を解消して『Frictionless(障壁がない)』な環境を整え、国内外で得た知見をもとに現地の生活者に寄り添った『Motivation(心を動かす)』を高める施策をトータルでお手伝いできればと考えています」と、締め括りました。

CX Design Firmである電通アイソバー(現 電通デジタル)とグローバル展開するIsobarは、ONEチームとしても、クライアント企業が顧客に提供しようとする「ブランドと一人ひとりの顧客が永く繋がり続けるための“特別な関係性”を生み出す最良のCX」の実現をサポートしています。

PROFILE

プロフィール

この記事・サービスに関するお問い合わせはこちらから

EVENT & SEMINAR

イベント&セミナー

ご案内

FOR MORE INFO

資料ダウンロード

電通デジタルが提供するホワイトペーパーや調査資料をダウンロードいただけます

メールマガジン登録

電通デジタルのセミナー開催情報、最新ソリューション情報をお届けします

お問い合わせ

電通デジタルへの各種お問い合わせはこちらからどうぞ