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2022.01.27

「HACS」が医療の常識を変える デジタルマーケティングの視点が「患者中心」のより良い治療体験を実現

電通デジタルは、製薬・ヘルスケア業界にデジタルマーケティングの視点を取り入れた新しいソリューション「HACS(Healthcare And Customer Solutions)」を提供している。デジタルマーケティングの導入で、医療の世界が今抱えている課題を解決し、どのような変革が生まれるのか。同社の福井佑樹氏、神松あや氏に電通デジタルのアプローチを聞いた。


デジタルによるUX向上が製薬・ヘルスケア業界にも求められる

——電通デジタルが製薬・ヘルスケア業界に特化したソリューションを提供するようになった背景からうかがいたいのですが、各業界でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、医療業界でもそうしたニーズは高まっていたのでしょうか。

電通デジタル・福井佑樹氏(以下、福井):医療というのは、治療でも創薬でも情報が非常に重要なのですが、コロナ禍による医師と患者の接触機会の減少やMR(医療情報担当者)の訪問規制などの影響で、これまで以上に効率的な医療情報提供が重視されています。こうした状況下、他でもない医療に携わる皆さんが、デジタルによるユーザーエクスペリエンス(UX)向上の重要性に気づき、DXが求められるようになってきています。

——そうした中、医療にデジタルマーケティングを導入するメリットはどのあたりにあるのでしょうか。

福井:医療の世界では、「ペイシェント・セントリック」という患者中心の治療が注目されていますが、これはデジタルマーケティングでいうUXに近いと思います。医師も患者さんも一人ひとり違うので、それぞれの視点に立ったパーソナライズが必要ですが、デジタルを活用することでそれが実現でき、患者さんにとっても、自身でヘルスケアの管理ができるようになるといったメリットがあります。

電通デジタル・神松あや氏(以下、神松):患者さんは治療だけをしているわけではなく、日々の生活を送っているので、生活者として捉えるべきだというのが私たちの考えです。デジタルマーケティングによって患者さんの解像度を上げていけば、全体の治療体験のストレスも減らせますし、治療のドロップアウトが減るなど、医師と患者さんの双方が望む治療ゴールを達成できると考えています。

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株式会社電通デジタル ビジネストランスフォーメーション部門 デジタルインテグレーション事業部
事業部長 福井 佑樹氏

——デジタルマーケティングを導入するに当たっては、製薬・ヘルスケア業界ならではの難しさや課題もあると思います。

神松:諸外国では医療のデジタル化が進んでいますが、日本は法規制が厳しいのでやや遅れ気味ですね。疾患啓発についても、旧来のマスマーケティング的な手法が多く、情報が届いてほしいところに届いていない印象です。このあたりも、デジタルを活用すれば、メッセージングやコンテンツ、タッチポイントの最適化ができると思います。

福井:デジタルマーケティングはあくまで手段です。有効活用するためには戦略やナーチャリングプランが必要ですが、製薬会社が医師に対して情報提供するにしても、製品やブランドごとにセグメントやステージが異なるので、一気にすべてを改善するというわけにはなかなかいきません。また、戦略を立てたとしても、有効に運用するにはMRのデジタルリテラシーの向上は必須です。こうした課題に対し、デジタルをいかに有効に使うかという観点でリリースしたソリューションが「HACS(Healthcare And Customer Solutions)」です。

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株式会社電通デジタル CXトランスフォーメーション部門 CX戦略プランニング第2事業部
ストラテジープランニングディレクター 神松 あや氏

業界に対する実績、そしてクリエイティブとデータに知見を持つ

——「HACS」の提供を通じて、電通デジタルではどのような支援を行っているのでしょうか。

神松:デジタルマーケティングの視点を持つ電通デジタルと、医療視点を持つ製薬・ヘルスケア業界のクライアント企業様がチームとなり、新しいソリューションの創出によるペイシェント・セントリックの実現を目指していくプログラムが「HACS」です。「HACS」では、データを活用したニーズの可視化、ストレスフリーなUX設計、患者さんファーストのクリエイティブの3つをお約束として掲げています。これは、戦略の立案から最終的なアウトプットまでを一気通貫で伴走させていただくということを意味しています。

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「HACS」には、仮説、調査、ワークショップ、設計、実施、効果測定の6ステップがある。前者3つは現状認識と定義づけ、後者3つが設計と実施に分類。このサイクルを繰り返しながら、持続的な検証と改善を行い、Co-Creationを実現していく

——その3つの約束を実現するために、「HACS」ではどのようなサービスを提供していますか。

神松:4つのサービスを用意しています。1つ目は疾患啓発・教育治療サポートで、コンテンツ開発や資材の最適化を行います。2つ目はプラットフォームで、専用アプリやUI/UX改善、電子カルテなどを扱います。3つ目はナレッジシェアで、データの取得や患者インサイトの共有の他、MRの研修なども含みます。4つ目はサービス・デザインで、新規サービスの開発や企業間コラボレーションのサポートなどを行っています。

福井:「HACS」で最も重視しているのは、より良い治療体験を患者さんに提供することです。この4つのサービスは、その実現のために、クライアント企業様の課題の紐解きから始めて、一番必要になるソリューションを整理・分類したものとお考えください。

——他にも医療系のソリューションを提供している会社はあるかと思いますが、電通デジタルだからこその強みは何でしょうか。

福井:先ほど、戦略の立案から最終的なアウトプットまでを一気通貫で伴走するという話が神松からありましたが、電通デジタルの最大の強みは、プロジェクト全体を通して網羅的に対応できることです。従来の方法では、疾患啓発のためのコンテンツ制作はA社、プラットフォーム構築はB社といった状況が多かったと思います。これに対して当社は、toD(医師)分野にもtoC(患者)分野にも実績があり、データやクリエイティブにも強いので、治療現場におけるサービスを提供しながら、情報提供と啓発に還元できる仕組みを、クリエイティブまで含めて統合的に構築・提供できます。以前は、電通デジタルがなぜ製薬・ヘルスケア業界に参入するのかと感じる方も多かったと思いますが、デジタルマーケティングはもはやモノを売るためだけではなく、最適化された体験を提供するための重要な役割です。今はそれが製薬業界にもご理解いただけているのを感じますし、事例を積み重ねていけば、さらにお任せいただけるケースは増えていくのではないかと思っています。

より良い治療体験の実現に向けてさらなる体制強化を

——事例を積み重ねていくというお話がありましたが、実際に「HACS」で行ったプロジェクトにはどのようなものがありますか。

神松:2つ紹介します。1つ目は禁煙治療のサポートです。医師と患者さん双方のニーズを検討した上で、受診に至るまでのジャーニーを策定し、フェーズに応じたコミュニケーション設計を提案しました。受診ストレスを和らげるようなクリエイティブ、治療期間中も患者さんのモチベーションに伴走できるよう、LINEを活用したサポートツールでアウトプットしています。2つ目は転移性乳がんのサポートプログラムです。転移性乳がんは、診断や治療が与えるインパクトが高いことから、医師と患者さんのコミュニケーションがより重要になりますし、日々をどう送るかといった視点も必要になります。診断時、治療開始時、治療中といった各フェーズで支えられるよう、がん経験者や専門家、ご家族などにも協力してもらいながらプロジェクトを進めました。具体的なアウトプットとしては、診断当初の患者さんに向けて、本当に必要となる情報や信頼できる経験者の声を集めたWebサイトをはじめ、患者さんが自分の気持ちを整理することを助けるワークブック、受診時の医師とのコミュニケーションをサポートするLINEアカウントなどを作成しました。

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「HACS」では、禁煙治療支援や転移性乳がんのサポートプログラムといったプロジェクトを行っており、いずれもフェーズに応じた医師と患者のコミュニケーションや、患者のストレスに寄り添うクリエイティブを提供している

福井:疾患に関連する情報はインターネット検索をするといくらでも出てきますが、現状は玉石混交の状態です。患者さんの不安を取り除くために、信頼を担保した情報を出していくというのは、とくに重視していきたいと考えています。

——ペイシェント・セントリックやより良い治療体験の実現に向け、今後どのようなことに取り組んでいきますか。展望をお聞かせください。

神松:電通デジタルには他領域の知見も数多くあるので、横展開のポテンシャルは高いと思います。「HACS」もこれが完成形というわけではなく、巻き込むプレイヤーも増えるでしょうし、先に挙げた4つのサービスにオプションを加える形で拡張していけると考えています。それから、私は個人的に「医療の民主化」というテーマを掲げているのですが、医師と患者さんの関係づくりや正しい情報の提供などをサポートすることで、医療が生活を豊かにする手助けになるという世の中になると良いなと思っています。

福井:今回のコロナ禍は、患者さんを取り巻く環境を大きく変えました。セルフメディケーションや地域医療など、医療に関するニーズも変化していますし、保険適用や法改正といった事情もあります。そうした変化に対応して、製薬・ヘルスケア業界もDX、さらにはビジネストランスフォーメーション(BX)を視野に入れておく必要があると思います。製薬・ヘルスケア業界のビジネスモデルが拡大すれば、当社のデジタルマーケティングの知見をもっと役立てられるので、最終ゴールとしている「最適な治療体験」を提供できる体制をしっかり整えておきたいと思います。

「HACS」の詳細はこちら

日経BPの許可により「日経ビジネス電子版Special」2022年1月20日公開に掲載された広告から抜粋したものです。
禁無断転載©日経BP

福井 佑樹 Yuuki Fukui

ビジネストランスフォーメーション部門 デジタルインテグレーション事業部 事業部長
外資系SIerにて約20年間、ITシステムのコンサルティング、構築、運用改善をリード。電通デジタル入社後は、主に統合デジタルマーケティングコンサルティングを担当。メディカル領域では、データを活用した医師と製薬会社の最適なコミュニケーションを提案している。

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神松 あや Aya Kamimatsu

CXストラテジー本部 / CXストラテジー1部 ストラテジープランニングディレクター
“心地よいテクノロジー”をモットーに、デジタルマーケティングのディレクターとしてキャリアをスタート。コミュニケーションストラテジーの設計とプランニングを強みとし、現在はエクスペリエンスデザイナーとして、エンターテイメント、ファッション、教育、Fintechなど国内外の様々な企業のCX Designをリード。直近は医薬品業界を主軸として、〝ペイシェント・セントリック〟な視点で、ヘルスケアのNew Normal創造を目指す。

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